上海ロックダウンによる影響とロックダウン解除後の物流はどのように回復していくのか?
悩んでいる人:
上海ロックダウンによる物流稼働の停止は実際私達にどのような影響があったの?
解除後はもう元通りになったの?
本記事の内容:
①そもそもなぜゼロコロナ政策をするのか
新型コロナウイルスが蔓延し始めた2020年。
他国がコロナの抑え込みに苦戦している中、中国は早期段階でほぼコロナを抑え込みに成功しました。
それは中国政府の強いリーダーシップ力により成し得た成果である、とメディアで宣伝していました。
2020年当時の成功体験と、ウィズコロナは中国の政治体制の否定や政策の失敗を認めることになるため、今更ウィズコロナへの転換はできないのではないのだろうか。
また今秋の共産党大会での習近平国家主席3期目の突入に花を添えるためにも、ゼロコロナは必要不可欠な要素となります。
②上海物流ロックダウン前の状況について
1、海運のコンテナ取扱個数について
上海のコンテナ取扱個数は世界1位の4,350.1万TEUです。(TEUとは20フィートコンテナ1個あたりの単位となります)
ちなみに日本で最も取扱個数が多い京浜港(東京、横浜、川崎の合算)は20位の757.8万TEUです。
2、都市別進出日系企業について
上海は中国4大都市(残りは北京市、広州市、深セン市)の一つで、中国最大の経済都市です。
首都の北京を凌ぎ、市内総生産額は1位になります。
そのため上海には多くの海外企業が拠点としております。
中国国内の日系企業32,349拠点の内、約1万拠点が上海にあります。
2018年時点の世界都市別進出日系企業拠点数でも
1位 上海 10,043社
2位 バンコク 1,935社
と5倍以上の大差がついています。
③実際のロックダウンによる影響
当初上海東部は3/28~4/1、西部は4/1~4/5の96時間ずつ封鎖し、住民2500万人全員にPCR検査をする予定でした。
しかし、報告された感染者は1日あたり1万3000人を超え、結果的に6月までロックダウンが延期されることになった。
厳格な対策のため、誰も住宅の敷地から出ることを認められておらず、仕事による外出はもちろん、必要な食料も調達できない状況になっていました。
そのため、上海における経済活動や物流はほとんどストップし、世界経済や日本経済にも大きな打撃を与えました。
日本では自動車産業が盛んだが、上海の自動車部品関連工場から多く輸入していたが、ロックダウンにより生産台数が大幅に減少した。
また時期で売れるような季節商品も販売機会を逃し、多くは在庫品になります。
④ロックダウン後の回復状況と今後の対策
上海市のロックダウン解除に伴い、世界最大の国際コンテナ港である上海港の物流正常化しつつあります。上海港に入港するコンテナ船の平均待ち時間は6月1日時点で31時間と、4月下旬のピーク時の69時間から半分未満に短縮されました。
通常待ち時間は平均18時間のため、31時間はまだまだ長いと言えるでしょう。
ロックダウンは解除されたものの、上海市民の行動制限は変わらず続いています。
今後ゼロコロナ政策の継続による再ロックダウンも視野に入れ、中国に頼りすぎない他国の取引先開拓が必要になるかと思います。
弊社では海外容器をメインで取り扱っておりますが、中国以外に台湾、韓国、東南アジアから幅広い国々から支給が可能です。
今回の機会に輸出入のリスク分散についても考えてみてはいかがでしょうか?